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朝日新聞VSホメオパシー協会 治療に医師免許必要なのか巡り

 代替医療のホメオパシーを進める団体が、医師免許がなくても治療はできるなどと、サイト上で新聞報道に反論している。こうした主張は、どれだけ根拠があるものなのか。

  「限りなく薄めた毒飲み『治癒力高める』」
  「ホメオパシー実態調査 助産師会乗り出す」

■「当該記事は確かな取材に基づいて掲載したものです」

 朝日新聞の2010年8月5日付朝刊の社会面トップに、こんな大きな見出しが躍った。

 ホメオパシーとは、昆虫や植物、鉱物などを溶かした「毒」を水で薄めて振る行為を繰り返し、これを砂糖玉にしみ込ませて飲む民間療法を指す。記事では、この療法を巡って、山口市で起きた助産師による乳児死亡のようなトラブルが起きていると指摘。科学的な根拠ははっきりせず、日本助産師会が、ホメオパシーを使う助産師がどのくらいいるかなどの実態調査に乗り出したことを報じている。

 これに対し、異論を唱えたのが、記事中にもある日本ホメオパシー医学協会だ。山口市の乳児死亡に関する、朝日を含めた一連の報道について、「予断をもったマスコミの報道姿勢に基づく一方的な内容の記事には、大きな問題」と指弾したのだ。

 朝日の記事については、具体的な内容についても反論している。助産師会が通常の医療を否定しないよう協会側に申し入れたという点は、事実でないと指摘。この内容では、通常医療を否定していないのにそう受け止められるともした。また、薄めた毒を飲むとの点については、毒があるものもあるが、最終的には無毒化していると反論し、分子レベルで毒はほぼ残っていないという点は、1分子も残っていない、としている。

 こうした主張は、本当に理由があるのか。

 しかし、朝日新聞社の広報部に取材すると、コメントは明確だった。「当該記事は確かな取材に基づいて掲載したものです」というのだ。

■医師しかできないかは、治療の内容による

 日本ホメオパシー医学協会は、朝日の取材に対しコメントを寄せた専門家へも反論している。

 記事では、ホメオパシーを治療に取り入れている医大の准教授は、レメディーと呼ばれる砂糖玉を患者に投与するのは医療行為だと指摘。そのうえで、「医師や歯科医師ら、薬の処方権がある人以外がホメオパシーを使うのは大きな問題だ」とコメントした。「西洋医学で明らかに治療できるものは西洋医学で対応するのが当たり前だ」ともいう。

 これに対し、同協会は、准教授の発言は、医師法17条の解釈を間違っていると主張した。17条は「現在医学を修得した医師しか、現代医学に基づく治療をしてはならない」と解釈され、それ以外の治療は医師免許がなくてもしてもよいとしている。その上で、レメディーについては、薬ではなく食品なので医療行為に当たらず、医師でなくても患者に投与できるとしている。

 医師免許がなくても治療できるというのは、本当のことなのか。

 厚労省の医事課によると、医師法では、医学的な判断や技術をもってするのでなければ、患者の人体に危害を及ぼすかその恐れのある行為は、医師しかできない。これには、現代医学であるかどうかの線引きはないという。そして、「治療とは、一般的に医師の判断が必要なものを言います」とする。

 ただ、医師しかできないかどうかは、治療の内容によるという。個別具体的に見ていくしかないというのだ。

 同省では、鳩山前首相の提唱で、現代医学に代替医療を組み合わせた「統合医療」を進めようとプロジェクトチームで検討している。効果や安全性が確認されれば、代替医療に保険・資格制度を作る可能性があるようだ。ホメオパシーが入るかはこれから議論するといい、トラブルが報じられているだけにその行方が今後注目されそうだ。


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