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高齢者住宅に不可欠「心に寄り添うケア」

【第139回】森川悦明さん(高齢者住宅経営者連絡協議会会長)

 昨年12月に厚生労働省が発表した「介護保険法改正案のポイント」に、同省と国土交通省の連携による高齢者住宅の供給の促進が明記された。今後、地域ケアの一翼を担うことが期待される高齢者住宅だが、その現場では、どのようなケアが求められるのか―。有料老人ホームなどの経営者が集まる高齢者住宅経営者連絡協議会の会長で、オリックス・リビング社長の森川悦明さんに話を聞いた。(塚田大輔)

―高齢者住宅経営者連絡協議会とは、どのような団体でしょうか。
 高齢者住宅に関する協会は、有料老人ホーム、認知症高齢者グループホーム、高専賃など、類型ごとの協会が以前から存在しています。それぞれが活発に活動しているのですが、高齢者住宅への注目が集まる中、高齢者住宅全体の発展と向上が必要と判断し、従来の枠組みを超えた取り組みとして、昨年4月に高専賃や有料老人ホームを手掛ける33団体で集まり、現在は47団体で構成されています。
 協議会では、厚労省や国交省など行政に対して政策提言を行うほか、利用者に対するサービスの質の向上や、事業者の健全な経営を目指して活動しています。

―枠組みを超えた取り組みといえば、高専賃など高齢者向けの賃貸住宅の登録基準を統一し、そこに有料老人ホームも加える形で「サービス付き高齢者住宅」(仮称)を創設しようとする動きが厚労省と国交省にあります。
 サービス付き高齢者住宅を否定はしません。ただ、有料老人ホームと見守りなどのサービスが付いた高専賃は、似て非なるものではないかと考えています。
 消費者にとっては、多くの類型が同じ基準で登録されるので安心感が出るかもしれません。しかし、有料老人ホームでつくってきた生活支援や介護サービスの付加価値と、基本的に自立した単身のお年寄りが暮らす住宅としての高専賃とは少し違うのではないでしょうか。
 もう一つ懸念していることがあります。統一された基準が設定されることによって、有料老人ホームのよさが失われることです。任意登録とはいえ、サービス付き高齢者住宅の基準ができた時、有料老人ホームがみんな「右に倣え」となったら、事業者はよりよいサービス実現の努力を放棄しかねません。
 高齢者住宅においては、民間企業に伸び伸びとやらせるべきなのです。そこにノウハウや付加価値ができます。やるべきことを限定した制度に頼ると、付加価値を認めてもらわなくても仕事があるので、情熱を持って事業に取り組まなくなってしまいます。

―よりよいサービスということですが、介護従事者が高齢者住宅で働く上で、従来の施設などと違った技術などが求められるのでしょうか。
 技術的には特別に新しいことが求められるわけではありません。例えば、利用者がけがをしないように、または従事者が腰痛にならないようにという技術は、有料老人ホームでも高専賃でも必要です。
 ただ、他の介護施設と違う点もあります。一般的な介護技術よりもマインドの有無が重要になる、という点です。マインドとは、「心に寄り添うケア」と置き換えても差し支えありません。具体的には高いコミュニケーション能力や、常にアットホームな雰囲気づくりを心掛ける繊細な配慮などを意味します。特に、基本的に自立した高齢者が集う高専賃では、日常生活の場としての性格が強いため、こうしたケアは不可欠と言えるでしょう。 「心に寄り添うケア」は、要介護者の身体の状態にも良い影響をもたらすことがあります。例えば、脳梗塞で排泄も一人でできなくて、はしも持てなかった利用者が、有料老人ホームに入居後、1か月半で自ら歩いてトイレに行ったり、食事ができるようになったりした例もあります。その方は「ヘルパーさんは毎朝、必ず『きょうは、どの服を着ますか』と聞いてくれた。そんな小さな配慮から、自立に向かう力をもらった気がする」と言っていました。
 要介護者の尊厳を尊重し、その心に寄り添うケアは、時には優れた介護技術にも劣らない効果を発揮することがあるのです。

―高齢者住宅の整備について、最低でも年間5万-6万戸の整備が必要と主張していますが、「心に寄り添うケア」ができる介護従事者は足りるのでしょうか。
 そうした人材を養成し、確保し続けることこそが一番大変なことです。
 すぐにできる工夫として、「入居者の尊厳を守る」といった理念を掲げ、それをチームで守ることが挙げられます。
 われわれの事業所でも、最初のころは辞めていく人が後を絶たなかったのですが、踏ん張って残った何人かが中核メンバーになると、ぴたりと人が辞めなくなりました。彼らが、「入居者の尊厳を守る」という理念によって他の従事者をまとめて、マインドを持った働き方を伝えてくれたからです。
 介護の世界では、チームで働く意識が少ないと思います。しかし実際は、チームで働いた方が負担も少なく、気持ちの上でゆとりを持って働けるのです。

―国や自治体では、失業対策の一環として、無料でホームヘルパーの養成講座を開くなどの取り組みを進めています。
 失業対策の一環という位置付けでは、マインドを持った介護従事者は確保できないでしょう。介護は誰にでもできる仕事ではありませんから。
 失業対策にカネと人手をつぎ込むより、「働きやすい環境」を整える方に力を注いだ方がよいでしょう。介護の現場では、利用者から暴言を吐かれたりすることもあります。賃金も決して高いとは言えません。そういう現場で働きたいと思う人は、どのくらいいるでしょうか。今いる職員が働きやすい環境を整えることこそが、優秀な人材を確保する近道なのです。 人材確保という点では、既に始まっているEPA(経済連携協定)に伴う介護福祉士候補者の受け入れなどにより、アジアなどの海外から積極的に人材を招き入れるということがよいのではないでしょうか。
 フィリピンの方が受けている介護スキルの講座を見学したことがあるのですが、日本の介護従事者に劣らないマインドを持ち合わせていました。彼ら彼女らは、海を渡ってでも介護の仕事がしたいという志と明確な目的意識を持ち合わせています。そんな彼ら彼女らのスキルとマインドが、働き手の減っていく日本で、介護現場を支える大きな力になると考えています。

―EPAで来日する人も含め、働きやすい環境を実現するにはどんな工夫が必要でしょうか。
 介護従事者も、やがて家庭を持ちます。そうなると、もっと働きやすい環境が必要になります。そのためには、勤務時間を弾力的に選択できる制度を導入すべきです。
 現場レベルでできる工夫としては、目標を掲げ、そこへ向かうプロセスをチーム全員で考える習慣をつくることが必要です。そのためには、チーム全員に目標へ向かう動機付けができる中核メンバーを確保・育成しなければならないでしょう。

―ところで、高齢者住宅に住む高齢者にも医行為が必要なケースが多くなってくると思いますが、これも高齢者住宅で働く介護従事者が担うべきなのでしょうか。
 医療従事者に、もっと介護の現場に入って来てほしいですね。医療や介護の世界では、「医療従事者は医療現場、介護従事者は介護現場」という意識が根強く残っているように思えます。特に看護師は、売り手市場ということもあって、介護現場での定着が芳しくありません。在宅ケアを発展させていく上でも、医療従事者が介護現場に入って連携していくべきです。
 ただ、医療従事者も深刻な人手不足に悩まされています。それだけに、例えば夜間の医行為は、看護師に代わって介護従事者が担当するなど、思い切った施策が必要です。介護従事者は、昼間も利用者と接しているわけですから、利用者にとっても安心できるはずです。

選挙:我孫子市長選 現職・星野氏が再選 新人の坂巻氏破る /千葉

任期満了に伴う我孫子市長選が23日投開票され、現職の星野順一郎氏(53)=自民、公明推薦=が新人の元市議、坂巻宗男氏(40)を破り、再選された。投票率は45・60%(前回44・38%)、当日有権者数は11万93人だった。
 同市緑1の星野氏の選挙事務所では、当選の一報が入ると詰めかけた支持者から歓声と拍手が起こった。星野氏は支持者と万歳を繰り返し、2期目への意欲を語った。選挙戦で4年間の実績を訴え、子育て支援や水害対策の推進などの公約を掲げ、市議27人のうち16人が支援。市商工会や不動産、建設団体などの支持基盤も固め、幅広く浸透した。
 坂巻氏は「乱開発に歯止めを」と訴え、手賀沼など豊かな自然と共生したまちづくりを訴え、市長の給与削減や退職金ゼロも掲げたが、支持が広がらなかった。【早川健人】
………………………………………………………………………………………………………
 ◇市長選開票結果=選管最終発表
当 27240 星野順一郎 53 無現
  22597 坂巻宗男  40 無新
………………………………………………………………………………………………………
 ◇我孫子市長略歴
星野順一郎(ほしの・じゅんいちろう)53 無現(2)
 市長[歴]星野歯科医院長▽市介護認定審査会副会長▽市歯科医師会長▽日大=[自][公]

選挙:我孫子市長選 再選の星野市長、抱負語る 「高齢者相談室を設置」 /千葉

23日の我孫子市長選で再選された現職の星野順一郎氏(53)=自民、公明推薦=が24日、市役所で記者会見した。「1期目は、高齢者の不安を解消する情報の提供が不足していた。市が取り組もうとしていることをPRしたい」と2期目の抱負を語り、市内の老人ホームに「高齢者なんでも相談室」を4月から設置することを明らかにした。
 選挙戦では、市街化調整区域を見直し企業を誘致する構想が相手候補から批判された。これについては、「生まれ育った我孫子を私が工業都市にするはずがない」と、工業団地の整備ではないことを強調。相手に流れた2万2000票も「批判票と思っていない。投票に行かなかった声なき声は自分への支持」と述べた。
 一部の自治体で子ども手当の地方負担を拒否する動きが出ている問題では、「隣のまちと違うことは市民に理解されない」と述べ、新年度に限り市が負担する意向を明らかにした。また、2期目の課題として、市民会館とごみ焼却炉の更新を挙げ、「(隣接する)柏市と共同か、単独で建てるかを決めなければならない」と話した。【早川健人】
………………………………………………………………………………………………………
 ◇市長選開票結果=選管最終発表、一部地域既報
当 27240 星野順一郎 53 無現
  22597 坂巻宗男  40 無新
………………………………………………………………………………………………………
 ◇我孫子市長略歴
星野順一郎(ほしの・じゅんいちろう) 53 無現(2)
 市長[歴]星野歯科医院長▽市介護認定審査会副会長▽市歯科医師会長▽日大=[自][公]

1月25日朝刊

<少額領収書開示>2閣僚の団体でミス…報告書と食い違い

国会議員が総務省などに届け出た関連政治団体の支出について、請求があれば少額領収書を開示しなければならない新制度が始まったが、1月に開示された2閣僚の団体でミスが見つかったほか、開示が遅れる団体が相次ぐなど対応が混乱している。対象は09年分の支出で、人件費を除く1件1万円以下の領収書の写し。ある団体の担当者は政治資金の使い道に注がれる有権者の厳しい目を意識しつつ、「1円以上のすべての支出を明らかにするのがここまで大変とは」と話した。【曽田拓】

 毎日新聞などが北沢俊美防衛相(参院長野選挙区)の資金管理団体「平成新政策研究会」に開示請求したところ、備品・消耗品費、事務所費、組織活動費、調査研究費の4費目の少額領収書が開示された。これを基に費目ごとの総額を算出したところ、調査研究費を除く3費目で数千円~1万円程度、政治資金収支報告書の額と食い違っていた。

 事務所の担当者は「報告書提出後、開示請求を受け経理担当者が領収書を見直した際、数枚の領収書を別の支出費目に差し替えたため、ずれが生じた」と説明した。本来なら報告書の訂正が必要なケースとみられる。担当者は「開示が初めてのこととはいえ、やってはいけないことだったのは事実。今後気を付けたい」と話し、制度への理解不足を認めた。

 また、前原誠司外相(衆院京都2区)の関連政治団体「まえはら誠司東京後援会」も同様に、備品・消耗品費と組織活動費で報告書と額が違っていた。

 担当者によると、開示請求を受けて領収書の写しを出す際に添付忘れがあったことなどが原因といい、「09年は衆院選があり、領収書の数が膨大だった。決して不正な経理はない」と釈明した。

 桜井充副財務相(参院宮城選挙区)の関連政治団体「桜井充歯科ネットワーク」でも、事務所費など3費目で報告書と少額領収書の総額が食い違った。さらに、政治資金規正法上、領収書と認められるために必要な支出目的が書かれていない領収書も複数あった。

 担当者は「開示の際に領収書の一部を添付し忘れたことなどのため。支出目的がない領収書については、監査を行った税理士にも指摘されており、事務所のミス」と話した。

 また、「領収書の数が多い」と、期限内に開示できない団体も相次いでいる。総務省によると、1月19日までに延べ294団体に対して開示請求が行われたが、23団体が開示時期の延長を請求者側に通知した。窓口の総務省自体も「今後、作業量の増加に伴い、省の事情で開示が遅れる可能性もある」としている。

 ◇少額領収書開示制度◇

 07年の政治資金規正法改正により導入された。国会議員の関連政治団体について政治資金収支報告書に、人件費を除く各費目で1件当たり1万円超の支出は明細が、少額分は各費目の総額のみが記載される。加えて、総務省や各都道府県選管に開示請求があった場合は、1件1万円以下の支出について領収書の写しを開示しなければならない。09年分報告書が公開された昨年11月末から請求受け付けが始まり、総務省分は1月から順次開示されている。開示は原則として、請求から60日以内に行われる。

岡田・民主幹事長:来県 4総支部の会合に参加 /岐阜

民主党の岡田克也幹事長は23日、県内に入り各地を回った。4月の統一地方選を控え、岡田幹事長は記者団に「現状は厳しいが、地方の皆さんもしっかり力を合わせて戦ってくれると思う」と話した。
 岡田氏はこの日、党県連1~5区総支部のうち3区を除く4総支部の会合に参加した。1区の岐阜市では、これまで自民党との関係が深いとされてきた県医師会や県歯科医師会幹部とも懇談した。
 民主党政権の支持率低迷が統一地方選に影響を与えるかどうかについて、岡田氏は「そういう面も否めない」と認めた。県連は、県議選全選挙区に候補者擁立を目指しながらも、27選挙区中9選挙区で11人の公認・推薦候補予定者の擁立にとどまっており、岡田氏は「さらなる擁立よりも、すでに擁立した候補をしっかりと当選させることを目指す段階だ」と述べた。【岡大介】
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